統合失調症と家族の精神的成長
2012/11/29
元々このブログは「思ついた勢い」でついつい作ってしまった。
自分の経験を記録することで、同じような絶望を感じている人への一条のヒカリとなれたらいいなって想いと、もし自分が生まれ変わってまた同じ病気になっても、このブログを読むことで少しでも希望が持てる、そんなブログを目指していた。
だから、どっちかというと患者に対するアドバイスが多い。
しかし、カウンセリングメールをもらうようになって、この病気で苦しんでいるのは、患者本人だけではなく、特にそれを支える親や家族もある意味では患者以上に苦しんでいるということを再認識させられた。
この病気が治るためには本人はもちろんのこと、看護する側も精神的飛躍的成長を遂げられる可能性を秘めているように思う。
僕がここまで回復できたのは簡単にいうと両親のおかげだ。
僕の亡くなった父親も統合失調症で、長い間入退院を繰り返していた。
一昔前のその時代は、誰にも相談できず、統合失調症に関する情報も少なく、「偏見」という常識がまかり通っていた時代だ。
母はその「偏見」という常識が重苦しくのしかかる時代に父を看護していた。
そんな時代に、統合失調症を支えてきた家族の苦労はいかばかりのものだったろう。
本当に頭が下がる思いだ。
おそらく絶望に近い感情を感じていただろうし、ヒカリなんてどこにも見えない暗闇の中でもがき苦しんだのは想像に難くない。
カウンセリングメールで家族の辛さを知り、そういう視点から改めて母のことを考えると、よくあの時代にあの苦しみを乗り切ったものだと、畏敬の念すら感じてしまう。
どれほどの苦しみを乗り越えてきたのだろう。
どれほど精神的に成熟していることだろう。
初回の入院では、父親が統合失調症だったにも関わらずその事実をキチンと知らされてなかったので、僕も「偏見」という常識を持っていた。
僕は「キチガイ」として社会から「隔離」された病院の中で「監禁」されて一生を終えるんだ・・・。人並みの幸福なんて何も望めない・・・。
そんなふうに絶望していた頃、母からの電話に「どうか僕を見捨てないで下さい」というようなお願いをした。
そしたら母は「大丈夫よ。お父さんも3か月入院して、調子よくなって退院してを繰り返してたから」とあっけらかんと当然のように言った。
「何だ、治るのか・・・!」
それが絶望と暗闇の中にいた僕に一筋のヒカリとなって、僕を導き照らしてくれた。
もし父親が統合失調症でなく、母親が僕が感じていた種の絶望を感じていたとしたら、僕は今、生きてはいないでしょうね。
統合失調症は治る病気です。
それが治ると知っていれば。
統合失調症。
そんな自分が「すきゾ!」