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統合失調症は治る病気です。


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陽性症状のコントロール 前編 北京繚乱

2015/04/02

統合失調症の陽性症状を発症して、その摩訶不思議な世界を体験した人は、それをコントロール出来るようになるということは想像の片隅にも浮かばないのでないだろうか?

確かに僕自身初めて陽性症状が出たときには、それが陽性症状とは気づかず、制御不能に陥ってしまった。

 

陽性症状をコントロールするには?

自分の能力を10、陽性症状は100とととする。

この状態では残り90はコントロール不能ということだ。

しかし、経験を重ね、心を磨くうちに、次第に自分が高まり、レベルが高まると、陽性症状になったとしても、コントロール出来る部分が多くなっていく。

完全に陽性症状を支配すると、その利点だけを使用することができ、周りの人の目には、まるで魔法使いのように次々とアイデアを実現していくスーパーマンのように映るかもしれない。

 

(初):睡眠不足

初回の陽性症状発症の1番の大きな原因は睡眠不足だ。

睡眠不足が重なると、ハイテンションになってしまい、ちょっとしたことでも楽しくなってしまうことを経験された方もあるかもしれない。

統合失調症の陽性症状はそれに似ている。

ハイテンションを突き抜け、神経が病的に過敏になり、あたかも神の世界に紛れ込んだかのような印象を持つこともある。

すべてが自分の思い通りに動く!

 

しかし、それは妄想で、当たり前のことだが、すべてが自分の思い通りに行くわけではない。

自分の思い通りに動かない世界に精神は徐々に不安定となり、酷い被害妄想がそれに続く。

それも一般の人が想像するような単純な被害妄想ではなく、感性が病的なほど過敏になっているから、現実以上に現実感を感じてしまい、その恐怖というのは筆舌に尽くしがたい。

この時点では、完全に制御不能になる。

 

2回目:大麻

回復期、あまりにの辛さから逃げ出したくて、大麻を吸ってしまったことがある。

最初は頭がスッキリして、陰性症状の重さを忘れてしまうほどだった。

気分ノリノリ!

「これはいい! これで僕は陰性症状の辛さから解放された!」と、多幸感で一杯になった。

そのままトイレに行くと、ふと「あれ?これは精神病院の独房だ!」という妄想が頭をよぎった。

今まで独房時代を思い出すことはなかったのだが、あの絶望を鮮明にフラッシュバックしてしまった。

あまりにも痛すぎる記憶だから脳が自己防衛的に記憶をシャットダウンしていたのだろう。

「あぁ、また精神病院の独房に戻って、また最初から始まるのかよ・・・」と恐怖に支配された。

しかし一方で「普通の家のトイレだよ」という当たり前のことが頭にはよぎった。

「なんまんだぶ・・・なんまんだぶ・・・」と小声でひたすら唱えて、どうにか自分を保とうとした。

5分ほど経っただろうか、「怖いけど外に出てみよう」と勢いよくトイレから出た。

日常の世界が広がっていた。

「ほっ。良かった。精神病院の独房じゃなかった・・・。」

 

このときの陽性症状は多少コントロールが出来て、頭の片隅の「ここは精神病院の独房ではない」という声を捕らえることが出来たと言うことだ。

しかし、大麻に逃避するなんてやめときゃよかった。

もう少し状態が悪い時期で、思考を制御できなかったら、本当にまた独房に逆戻りするところだった。

統合失調症は薬物に絶対手を出すべきではない!

 

3回目:北京

北京では中国人のルームメイトと一緒に生活していた頃、彼女から何か嬉しげで、そわそわした雰囲気を感じた。

「? 何か変だな?」とは感じていたが、それほど深くも考えずに毎日を過ごしていた。

しかし、何日経っても彼女は同じように普段とは違い、喜びに満ちた表情で生活していた。

いったいどうしたんだろう?

徐々に不安になっていき、その疑念は日増しに強くなっていった。

 

あるとき、彼女が夕方から出かけた。

いつものように、すぐ帰ってくるだろうと待っていたが、待てど暮らせど彼女は帰ってこない。

段々と不安が強くなって何時になっても眠れない。

「あれ?そういえば最近の彼女はちょっと変だったな・・・ もしかして何か良からぬことを考えていたのかな? 何処に行ったのかな?」

と、不安が爆発し、眠れずに考えていると、次第に怖くなってきた。

「もしかして、自殺しに行ったんじゃ・・・」

と、あり得ない妄想に支配され始めた。

「そんなことあるはずない」

まだ、冷静だった。

しかし不安で眠れない頭脳は容易にオーバーヒートしていまう。

「あれ? そういえば、最近珍しく部屋を片付けていたな・・・」

「もしや!」

「自殺前の身辺整理では・・・!?」

妄想に完全に支配されてしまった。

気が気ではなく、そのままベッドに横になっていることが出来なくなった。

「どうしよう?どうしよう?」

狭い部屋の中をうろうろと歩き回り、完全に自分を見失ってしまった。

「そういえば、この前パソコンの再インストールしてとお願いされたな・・・。」

ハッ!!

「これも死ぬ前にハードディスクのデータを消してしまいたかったんじゃ!?」

と、ちょっとしたことすべて彼女の自殺と繋がってしまっていた。

「もしかしたら、パソコンの中に僕へのメッセージが残されているかも知れない!!」

そう思いつくと、いてもたってもいられない。

 

彼女の部屋に入りパソコンを起動した。

調べてみても、特にこれといってメッセージも残されていない。

「あぁ、やっぱり僕の思い過ごしだったんだ」

少し落ち着いてデスクトップにあるmsn メッセンジャーを起動してみた。

すると彼女のユーザー名が「北京繚乱」となっていた。

そのときも中国語はほとんど出来なかったが、北京で花が散るってことかなというぐらいは分かった。

北京で花が散る!!

自殺ってことじゃん!!!

疑惑は確信に変わった。

 

彼女が自殺するショックでどうしていいか分からず、「まず、中国人の友人に相談してみよう!!」と、部屋に戻りパソコンを起動し、msnを開いてみる。

彼女のユーザー名は「北京繚乱」になっている・・・。

ちょうどオンラインだった1番の親友に、「彼女が自殺しに行ったかもしれない!」と今までの状況を詳しく話した。

彼女は軽い口調で「彼女結婚前なの?」と聞いた。

そんなはずはないから、「違う」と即答。

彼女がいくら「そんなことはないよ」と説明しても耳に入るはずがなく、ただひたすら被害妄想から生まれた連想ゲームを彼女に伝えた。

これといったアドバイスをもらえるでもなく、彼女とのチャットを終えた。

 

もう1人オンラインだったので同じように泣き叫ぶように状況を説明した。

すると「彼女は結婚するの?」と同じことを聞かれた。

冷静であれば、「そうなの?」と聞き返していただろうが、妄想に支配されている耳を通り抜けていった。

北京繚乱の話をすると「もしかして今日雪が降っている?」と聞かれた。

そういえば、今日は北京で初の雪だった。

「降ってるよ。」

「じゃあ問題ないじゃん」

大丈夫なわけないじゃん!!

彼女は自殺しに行ったのだから!

でも、そういえば、同じこと聞かれたなぁと思い浮かんだにも関わらず、被害妄想の天才には1mmたりとも響かない!

「初雪の日に自殺とは・・・。」

「アートの世界にいるだけあって死に際もやはりアーティスティックでないといけないということか・・・」と妙に感心したと同時に確信が絶望へと変わっていった。

 

チャットを終えると恐怖で押しつぶされそうになる。

「そうだ!彼女の部屋に何か手掛かりがあるかも!」

再び彼女の部屋に入り、部屋の中を隅から隅まで調べ尽くした。

何も手掛かりはない。

絶望に沈み、部屋に戻った。

「なぜ、もっと早く彼女の抱えてる想いに気づいてやれなかったのか・・・」

・・・自責・・・。

朝になるまで、部屋の中でたたずみ、もしかしたら帰ってくるかもしれない、扉を開けていつもの笑顔が戻ってくるかもしれない!とまだどこかで彼女が元気に帰ってくるのことを期待していた。

 

淡い期待だった。

夜が明けた。

 

彼女は死んでしまったのだ。

つづく

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